こんにちは。精索静脈瘤の手術から体外受精まで、5年間の不妊治療を経験した夫です。
不妊治療をしていた頃、僕がいちばん頭を悩ませたのはお金でした。5年間で払った自己負担は約200万円。領収書の束を見ながら「これ、いつまで続くんだろう…」とため息をついた夜は、一度や二度ではありません(詳しくは5年間・約200万円の“お金のリアル”にまとめています)。
そんな中、2026年の春から秋にかけて、不妊治療中の夫婦に関係の深いニュースが立て続けに出ました。
- 東京都の不妊治療助成が拡大し、2026年10月1日から申請受付スタート
- 出産費用を無償化する改正健康保険法が成立
- 2026年上半期の出生数が11年ぶりに増加
この記事では、この3つを「で、僕らは何をすればいいの?」という夫目線で整理しました。あの頃の僕が知りたかったことを、できるだけやさしく書いています。
【結論】この記事のポイント
- 東京都在住なら、2026年4月以降に始めた体外受精・顕微授精の「保険診療の自己負担分」も助成対象に。申請は10月1日から。
- 出産費用の無償化は「公布から2年以内」に始まる予定。今すぐではないので、今の制度も押さえておこう。
- 夫にできることは「書類とお金の管理係」になること。領収書・証明書の管理を今日から始めよう。
ニュース①:東京都の不妊治療助成が「保険診療の自己負担分」まで拡大
何が変わったの?
2022年4月から、体外受精や顕微授精などの不妊治療は保険適用になり、窓口負担は3割になりました(国の制度の全体像は不妊治療の助成金・補助金を徹底解説をどうぞ)。とはいえ、3割でも回数を重ねるとかなりの金額になります。僕たち夫婦も体外受精で3回失敗し、転院してようやく着床までたどり着いたので、この「回数を重ねる重さ」は身にしみています。
東京都はこれまで、保険診療と一緒に受けた「先進医療」(自費部分)の費用を助成していました。それが、2026年4月1日以降に始めた治療から、保険診療の生殖補助医療(体外受精・顕微授精)の自己負担分も助成の対象に拡大されました。
クリニック各院の解説によると、上限は1回15万円とされています。
いつから申請できるの?
東京都福祉局の公式ページでは、申請受付の開始は2026年10月1日と案内されています。しかも、受付開始前に申請しても無効になるとはっきり書かれているので注意が必要です。
4月以降に始めた治療はさかのぼって申請できるので、「もう治療を始めちゃったよ」という人も諦めなくて大丈夫です。
注意したいポイント
- 体外受精・顕微授精を全額自費で受けた場合は対象外
- 人工授精などの一般不妊治療は対象外(検査は別の助成制度があります)
- 申請には期限があるので、治療が終わったら早めに準備を
- 申請は原則電子申請。クリニックに書いてもらう「受診等証明書」が必要
💡 経験者としてのおすすめ
申請書類の準備は、夫が担当するのがおすすめです。採卵や移植、毎日の注射で心も体もしんどいのは妻のほう。「書類とお金まわりは僕がやるよ」の一言だけで、かなり気持ちが軽くなるはずです。
僕自身、治療中に妻の体の負担を代わってあげることはできませんでした。だからこそ、お金と手続きは夫の担当と決めていました(体外受精で妻のために夫ができるサポートでも書いています)。
東京都以外に住んでいる人は?
神奈川県、大阪、愛知など、東京都に続いて独自の上乗せ助成を始めたり拡充したりする自治体も出てきています。「〇〇市 不妊治療 助成」で検索して、お住まいの自治体の制度を一度チェックしてみてください。市区町村によっては、男性の不妊検査や手術費用の助成があるところもあります。
ちなみに僕は精索静脈瘤の手術のとき、公的な助成ではなく都道府県民共済から20万円を受け取りました。国や自治体の制度だけでなく、加入している共済・保険の保障も必ず確認しておきましょう(→都道府県民共済から20万円受け取った実体験)。
ニュース②:出産費用の「無償化」が法律で決まった
どんな内容?
2026年5月29日、出産費用を無償化する新しい制度を盛り込んだ改正健康保険法が成立しました。ポイントはこんな感じです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 正常分娩の標準的な費用 |
| 仕組み | 国が全国一律の価格を決め、保険から病院に直接支払う(窓口負担ゼロ) |
| 開始時期 | 公布から2年以内(2026年9月時点で具体的な日付は未定) |
| 対象外になりそうなもの | 無痛分娩の追加費用、個室代、お祝い膳などのオプション |
| 帝王切開 | もともと保険適用の医療行為なので、3割負担の扱い |
今、不妊治療中の僕らへの影響は?
正直に言うと、2026年中の出産には間に合いません。当面は、今の出産育児一時金(50万円)と自治体の独自助成を使うことになります。
僕たち夫婦は、長い治療でお金を使い果たしたあとに、出産・育児のお金が待っていました。「妊娠できても、出産でまたお金がかかる…」という不安が将来的に小さくなるのは、治療を続ける夫婦にとって大きな安心材料だと感じています。
ニュース③:2026年上半期の出生数が11年ぶりに増加
厚生労働省の人口動態統計(速報値)で、2026年1〜6月の出生数は34万2,068人。前年同期より0.8%増え、上半期として11年ぶりのプラスになりました。婚姻数も23万8,979組と、わずかに増えています。
コロナ禍のあとに結婚した人が増え、それが出生数につながった可能性があると分析されています。
もちろん、これは日本全体の数字の話で、僕ら一人ひとりの治療とは直接関係ありません。それでも、「今、同じように頑張っている夫婦がたくさんいる」と思えると、少しだけ心強くなりませんか? 治療中、孤独を感じていた僕には、こういう数字が意外と励みになりました。
不妊治療中の夫が「今日からできる」3つのこと
ニュースを読んで終わりにしないために、5年間の経験から「これはやってよかった」「もっと早くやればよかった」ということをまとめます。
精液検査を受ける
不妊の原因は、男性側にあることも少なくありません。僕自身、最初は「自分は大丈夫」と思っていましたが、検査で数値が基準値を下回り、精索静脈瘤が見つかりました(→実は原因は僕だった|精索静脈瘤が見つかるまでの話)。
病院に行くのが気が重い人は、僕もそうだったように市販の検査キットから始めるのもアリです。「まず知る」ことが、夫婦の治療の遠回りを防ぎます。
領収書・証明書を1か所にまとめる
助成の申請には、領収書やクリニックの証明書が必要です。クリアファイルにまとめて、スマホで写真を撮ってクラウドに保存しておくと安心です。医療費控除(確定申告)にも使えるので一石二鳥です。
家計と保険を一度見直す
治療が長引くと、家計への影響は小さくありません。僕たちも5年間で自己負担は約200万円、妻の産休・育休まで含めると動いた現金は350万円を超えました。
また、妊娠・出産に備えて医療保険を見直すなら、妊娠する前がベストです(妊娠後は加入条件がつくことがあります)。治療費の予算や保険の組み立ては、自分たちだけで悩むより、お金のプロ(FP)に無料で相談したほうがずっと早く答えが出ます。
まとめ:お金の不安は「知ること」で小さくできる
最後にもう一度、ポイントをおさらいです。
- 東京都の不妊治療助成は、保険診療の自己負担分まで拡大。申請は2026年10月1日から
- 出産費用の無償化は法律で決定。ただし開始は公布から2年以内で、まだ先
- 出生数は11年ぶりに増加。頑張っている仲間は確実にいる
不妊治療は、どうしても妻の負担が大きくなりがちです。だからこそ、お金と制度のことは僕ら夫が調べて、動く。それだけでも、夫婦で一緒に治療に向き合えている実感が持てるはずです。
5年間の治療の全体像は【完全版】男性の不妊治療5年間の全記録にまとめています。同じように頑張っている方の参考になればうれしいです。
参考・出典
- 東京都福祉局「東京都不妊治療費助成事業の概要」
- ORINAS ART CLINIC「東京都の不妊治療の助成金が2026年4月に拡充」
- 日本経済新聞「出産費用を無償に、改正法成立」
- nippon.com「上半期出生数11年ぶりわずかにプラス」
※制度の内容は2026年9月時点の情報です。助成の条件や金額は変わることがあるため、申請前に必ずお住まいの自治体の公式サイトをご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療的な助言ではありません。

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