2026年5月7日、こども家庭庁が卵子凍結費用への助成事業を正式に発表しました。18〜35歳の未婚女性を対象に、1回あたり最大20万円を支援するという内容です。補正予算には関連経費として10億円が計上されており、まずはモデル事業としてスタートします。
「卵子凍結に国のお金が出るの?」「35歳以下が対象って本当?」という疑問を持った方も多いと思います。この記事では、今回の発表の詳細から、制度の背景、活用時の注意点まで、妊活中・将来妊娠を考えている方に向けてわかりやすく解説します。
こども家庭庁が発表した卵子凍結助成の概要
今回の発表内容をまず整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表機関 | こども家庭庁 |
| 発表日 | 2026年5月7日 |
| 対象者 | 18〜35歳の未婚女性(原則) |
| 助成額 | 1回あたり最大20万円 |
| 予算規模 | 補正予算に10億円を計上 |
| 事業形態 | まずはモデル事業として開始 |
| 条件 | 自治体指定の医療機関での凍結、講習会受講、追跡調査への参加 |
近く事業に参画する自治体の募集が始まる予定で、卵子凍結に関するデータを集めながら、将来の適切な事業展開につなげていく方針です。
なぜ「35歳以下」なのか?医学的な根拠
今回35歳以下という年齢上限を設定したことについて、こども家庭庁は「日本生殖医学会の指針などに照らして判断した」と説明しています。
医学的に見ると、卵子の質と量は年齢とともに低下していきます。特に35歳を境に変化が加速すると言われており、早い段階で凍結するほど質の高い卵子を確保できる可能性が高くなります。具体的には以下のような変化が起きます。
- 卵子の数(卵巣予備能)が徐々に減少し、採卵できる卵子が少なくなる
- 卵子の質が低下し、染色体異常を持つ卵子の割合が増加(流産リスクの上昇)
- 体外受精・胚移植の妊娠率が年齢とともに低くなる
「35歳以下での凍結を支援する」という方針は、「できるだけ若く・質の良い卵子を確保してほしい」という医学的エビデンスに基づいた判断です。なお、東京都・大阪府はすでに独自の助成事業を行っていますが、両都府は18〜39歳を対象としており、国の基準はより絞り込まれた設定になっています。
助成を受けるための条件・ステップ
今回の助成事業を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
① 講習会の受講
卵子凍結に関する正しい知識を持ってもらうための講習会への参加が必須です。「卵子凍結をすれば必ず妊娠できる」という誤解を防ぐためにも、しっかり情報を得た上で判断することが求められます。
② 自治体指定の医療機関での検査・採卵
すべてのクリニックが対象になるわけではありません。各自治体が指定した医療機関での卵子凍結が助成の対象となります。事業開始後は、お住まいの自治体の窓口で指定医療機関の一覧を確認してください。
③ 凍結後の追跡調査への参加
凍結後も約10年程度にわたり、卵子の数を推測する検査などの追跡調査への参加が必要です。これは国として卵子凍結の有効性・安全性データを集めるためのもので、日本全体の制度整備につながります。
卵子凍結のメリット・デメリット
メリット
- 将来の妊娠に向けた「保険」として若く質の良い卵子を保存できる
- 仕事・キャリア・パートナー状況に関わらず、選択肢を広げられる
- 国の助成(最大20万円)で費用負担が軽減される
- 東京都・大阪府などの自治体の上乗せ助成と組み合わせれば、さらに負担減も可能
デメリット・注意点
- 妊娠が保証されるわけではない:凍結した卵子を使っても、解凍後の生存率・受精率・妊娠率は100%ではない
- 保管費用がかかる:凍結後の年間保管料(数万円〜)は助成対象外のことが多い
- 採卵のリスク:排卵誘発剤の使用による卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などのリスクがある
- 追跡調査への参加義務:モデル事業のため、長期的なフォローアップへの協力が必要
- 使わない可能性もある:自然妊娠できれば、凍結した卵子を使用しないケースも多い
自治体の上乗せ助成も確認しよう
国の助成に加えて、独自の助成事業を行っている自治体があります。代表例として以下が挙げられます。
- 東京都:18〜39歳対象で独自の助成事業を実施中。国の助成との併用の可否は今後の制度整備次第
- 大阪府:同じく18〜39歳対象で助成事業を実施中
- その他の自治体:今回のモデル事業への参画を通じて、今後全国に広がる見込み
お住まいの自治体の助成制度については、市区町村の公式サイトや窓口でご確認ください。
今すぐ動ける!卵子凍結を考えるための3ステップ
「35歳以下」の対象に今まさに当てはまる方は、早めに情報収集を始めることをおすすめします。
- AMH検査(卵巣年齢検査)を受ける:血液検査で卵巣予備能(残っている卵子の量の指標)を確認できます。多くのクリニックで1〜2万円程度で受けられ、自分の卵子の状況を把握する第一歩になります
- お住まいの自治体の最新情報を確認する:モデル事業への参画自治体が公表され次第、指定医療機関や申請方法を確認しましょう。こども家庭庁や自治体の公式サイトをチェックしてください
- 生殖医療クリニックに相談する:採卵の流れ、費用の目安、自分に合ったタイミングを専門医に相談することで、具体的なイメージが掴めます
男性のパートナーとして知っておくべきこと
このブログを読んでいる方の中には、パートナーが卵子凍結に関心を持っている男性もいるかもしれません。
5年間の不妊治療を経験した僕の立場から言えば、「将来のために早めに動く」ことの大切さは身にしみています。特に、卵子の質と年齢の関係は知識として持っておいて損はありません。
男性としてできることとして、以下が挙げられます。
- 今回の国の助成制度について、パートナーと一緒に情報収集する
- クリニックへの相談・通院に付き添い、精神的にサポートする
- 採卵・凍結にかかる費用(助成後の自己負担分・保管費用)について一緒に計画を立てる
- 「凍結すれば安心」ではなく、制度の限界についても正しく理解し共有する
まとめ:2026年、卵子凍結は「個人の選択」から「社会的サポートのある選択」へ
こども家庭庁による今回の発表は、卵子凍結が「一部の富裕層がお金をかけてやるもの」から、「国が支援する選択肢のひとつ」へと変わる大きな転換点です。最大20万円の助成は、これまで費用面で踏み出せなかった方にとって後押しになるはずです。
一方で、卵子凍結はあくまで「将来の可能性を広げる手段」であり、妊娠・出産を確約するものではありません。正しい知識を持った上で、自分のライフプランに合った選択をすることが大切です。
今後も不妊治療・妊活に関する最新情報をこのブログで発信していきます。モデル事業の詳細や参画自治体が発表され次第、改めてお知らせします。
※本記事は2026年5月7日時点のこども家庭庁発表をもとに作成しています。制度の詳細・申請方法はこども家庭庁および各自治体の公式サイトでご確認ください。


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